認知症の新しい家庭介護
いま大きく変わりつつある認知症の介護。「あきらめない認知症の介護」の具体例をわかりやすいドラマ仕立てで伝えます。
著者 | NHK福祉ネットワーク 編 |
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ジャンル | ■社会福祉・介護 ■社会福祉・介護 > 介護 |
シリーズ | シリーズ > 社会福祉・介護 > シリーズ認知症と向き合う |
出版年月日 | 2007/12/25 |
ISBN | 9784845110537 |
Cコード | 2036 |
判型・ページ数 | B5・140ページ |
定価 | 1,980円(税込) |
和田行男(介護福祉士・東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会代表)
植松多恵子(認知症の人と家族の会・千葉県支部代表)
遥 洋子(タレント・作家)
河瀬直美(映画作家)
小澤 勲(精神科医)
荒木由美子(タレント)
湯原昌幸(タレント)
大平昌秀(介護ドラマ『三好家の人々』脚本)
町永俊雄(NHK「福祉ネットワーク」キャスター)
【協力】
NHKエデュケーショナル
【NHK福祉ネットワークホームページ】
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/
【NHKエデュケーショナルホームページ】
http://www.nhk-ed.co.jp/
認知症になるともう何もわからなくなる。自分の名前も実の子どもさえ、わからなくなる。そう言われてきた。しかし、そうではない。最新の研究では、認知症になっても心は生きているということがわかっている。無表情でことばは失われていても、その心の中では感情は動き、周囲の反応も感じ取っている。
もの忘れや徘徊を「防ぐ」ということではなく、なぜ、もの忘れ、徘徊が起こるのか、暮らし全体を見つめ直す。そうすると、それはその人の不安やこれまでの生活習慣から出てくるらしいということに気づく。症状だけではなく、暮らし全体を観察して介護を組み立てる工夫ができる。認知症の人とともに暮らすリズムが生まれる。介護に手応えが出てくる。報われる実感に喜びも重なる。何より、かたわらの「認知症患者」がおじいちゃんとして見えてくる嬉しさは家族にとって大きいはずだ。
もちろんこんなふうに一直線に改善されるとは限らない。だからこの本でも繰り返し具体的な事例に立ち戻って専門家の意見を載せるようにしてある。最新の認知症研究の成果をどう実際の介護に生かせるのか。専門家と介護の日常を往復しながら、わかりやすく、しかも役立つ内容になっているはずだ。
「絶望の病」と呼ばれた、かつての認知症の認識はくつがえされ、今や「あきらめない認知症」と言われる。
それは何より介護にあたる家族の思いでもある。介護の負担に押しつぶされることなく、ゆとりと暮らしの実感を認知症の人と分かち合える介護に。
この本のページをめくるごとに、青空が広がるように「あきらめない認知症の介護」が見えてくれば嬉しい。
なにより、認知症の本人は暮らすこと、人生をあきらめてはいないのだから。
NHK「福祉ネットワーク」キャスター 町永俊雄
NHK福祉ネットワーク 教育テレビで放送中(毎週月曜日~木曜日、午後8時から)
1 「認知症では」と思ったら
変化に「気づく」には
早期受診 どこに? どうやって?
認知症Q&A
2 認知症介護の実際
妄想
徘徊
排泄
制度を利用し負担を減らす
介護者の心のケア
認知症Q&A
3 私の介護体験
義母と歩んだ14年
介護と仕事と恋愛と
4 「生命」をめぐる対話
◇認知症ケア情報