がん医療の今 第3集
市民が求めるがん治療情報を第一線の医師20人がわかりやすく紹介。最先端の治療法や緩和医療、患者にとって最適な治療を考える。
著者 | 市民のためのがん治療の会 編 |
---|---|
ジャンル | 単行本 ■社会・労働・法律 |
出版年月日 | 2013/02/12 |
ISBN | 9784845112944 |
Cコード | 2047 |
判型・ページ数 | 4-6・224ページ |
定価 | 1,540円(税込) |
今や、がんは「治ればいい」から、「高いQOLを維持しながら社会復帰する」時代。がん患者さん個人にとって、最適ながん治療を考えようという団体。第一線で活躍するがんの専門医からの先進治療の紹介をHPで公開している。病院・医師からの信頼と協力を得ながら、患者と家族のための活動をしている
『がん医療の今』第3集の監修にあたって
高齢社会を迎え、2006年6月に「がん対策基本法」が成立し、2007年4月より施行されました。それに基づき策定された「がん対策推進基本計画」が同年6月に閣議決定され、各都道府県で具体的な対応が開始されています。5年経過し、2012年6月からは2期目となりましたが、そこでは当初掲げられていた目標の継続の他に、がん患者さんの就業を含めた社会的な問題にも目が向けられ、また医療分野では小児がんへの対策や口腔ケアも含めた対応など広範な課題が提示され、より全人的医療の方向性が示されています。
こうした広範ながん医療の課題について、当会はホームページ上で1-2週のペースでがん医療に関する情報を提供しています。各筆者は日本の医療分野で活躍しているそうそうたるメンバーであり、私が尊敬している医師も多く含まれています。短期間のホームページ上だけの掲載では内容的にももったいないという思いから、本書はこれらの情報の中から、比較的個人的な内容の原稿を省いて、主なものをまとめ編集したものです。ご多忙中にもかかわらず、ボランティア精神で快く執筆していただいたみなさまに心からお礼を申し上げます。
当会は発足以来、セカンドオピニオンとしての相談の受け付け、年数回の全国各地での講演会開催、年4回の会報発刊(各3万部)、書籍やDVDの頒布を通じた医療情報の提供などの活動を行なってきました。そして5周年を機に2009年9月よりホームページ上で、シリーズ「がん医療の今」を掲載しています。
本書はホームページに掲載した「がん医療の今」の掲載原稿を年単位でまとめたものであり、第3集目となり、広範なテーマで構成されています。当会は10年前に市民に対する放射線治療の情報提供に軸足を置いて活動を開始しましたが、最近では放射線治療にかぎらず、広範な医療に関係する分野の課題も情報提供しています。東日本大震災や福島第一原子力発電所事故に遭遇し、昨年から今年にかけては放射線の健康被害等に関する情報掲載も多く行なわれましたが、本書はがん医療を中心とした内容に絞って構成させていただきました。
本書が読者にとって参考となる情報であること願うばかりです。
2013年1月吉日
独立行政法人国立病院機構 北海道がんセンター院長
市民のためのがん治療の会 代表協力医 西尾正道