四字熟語で読み解く現代日本

四字熟語で読み解く現代日本

戦後から現代まで国家やマスコミが生み出し定着してきた四字熟語116語の歴史的背景から各時代の特徴を浮き彫りにする

著者 歴史教育者協議会
ジャンル 単行本
■社会・労働・法律
出版年月日 2013/08/05
ISBN 9784845113200
Cコード 0036
判型・ページ数 4-6・264ページ
定価 1,650円(税込)

この本に関するお問い合わせ・感想

【編 者】 一般社団法人 歴史教育者協議会(略称:歴教協)
戦前の教育への反省の中から1949年に結成され、以来一貫して日本国憲法の理念をふまえた科学的な歴史教育・社会科教育の確立をめざし、その実践と研究・普及活動を積み重ねてきた。全国に会員と支部組織をもち、授業づくりの研究をはじめ、地域の歴史の掘りおこしやさまざまな歴史教育運動にもとりくむ。機関誌『歴史地理教育』を発行し、毎年夏には、全国大会を開催している。2011年4月より一般社団法人に移行した。
事務局:〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-13-8 千成ビル
    TEL 03-3947-5701 FAX 03-3947-5790
    ホームページ http://www.jca.apc.org/rekkyo/

【著 者】 
岩本 努(立正大学非常勤講師、歴史教育者協議会会員):第1章
高野哲郎(全国民主主義教育研究会会長):第2章
石山久男(歴史教育者協議会前委員長):第3章
石出法太(法政大学非常勤講師、歴史教育者協議会会員):第4章
鬼頭明成(立正大学非常勤講師、歴史教育者協議会会員):第5章
大野一夫(東洋大学非常勤講師、歴史教育者協議会前事務局長):第6章
丸山重威(ジャーナリスト、元関東学院大学教授・元共同通信社):第7章

 21世紀の世界は、新たな激動の時代になっています。テロと戦争、民族対立、核兵器保有、環境の破壊、貧困と格差などの課題が山積しています。日本の社会も、歴史の転換期であり節目の時期を迎えています。
 日本の場合、一つには、2011年3月11日の東日本大震災や東電福島第一原子力発電所の過酷事故を受けて、私たちはこれからの時代をどう生きていくかという問題に直面しています。震災から2年余りしか経っていないのに、何事もなかったかのように忘れようとする風潮が漂っています。いまだに避難所や仮設住宅で生活している人たちがいるにもかかわらずです。原発事故による放射能汚染は収束していませんし、原発から出る核廃棄物の最終処分も決まっていません。あの事故で原発が危険であることに気づき、原発依存の社会をやめようという世論も大きくなりました。それでも政府は、新たな「安全神話」を作り出し、原発再稼働とともに原発輸出を推進するという政策に向かっています。まさに、これからの時代をどんな社会として築いていくのかが問われています。
 もう一つは、戦後の歩みから何を受け継ぐかという問題です。あの悲惨な太平洋戦争を体験した人は、いま、生存していてもかなりの高齢者となっています。また、戦後生まれのいわゆる「団塊世代」も高齢期を迎えています。戦後68年、私たちはどんな時代を生きてきたのでしょうか。日本国憲法のもとで、民主主義と平和主義が日本に根づき、人権を守る運動や二度と戦争をしないという非戦・反戦の運動が展開しました。敗戦後の食糧難の時期を経て豊かさを求めて経済発展を遂げてきました。しかし、一方で、日米安保体制のもとでいっこうに解消されない米軍基地問題、グルローバル化の中で米国に追随する日本経済、東アジアとの平和友好関係を真に築くことができない問題、曖昧なままになっている歴史認識など、さまざまな問題が横たわっています。こうした時代を生きてきた私たちは、いま、過去から何を学び、何を受け継いでいくのか、これも問われています。
 四字熟語は、これまで、歴史を象徴する用語として多用されてきました。その中には、為政者による意図的な造語もあれば、マスメディアや広告業界によってつくられた流行語もあります。なかには歴史の上で定着した四字熟語も多く見られます。こうして、さまざまな形で生み出された熟語の根源や背景を読み解くことで、歴史の深層に迫ることができます。
 本書は、四字熟語から戦後どのような社会の中で生き暮らしてきたのか、世界とどう向き合ってきたのか、こうしたことを読み解くようになっています。たとえば、学校教育、男女平等、憲法「改正」、沖縄米軍基地、格差社会、デフレ経済、消費税、貿易、就職難、暮らし方などについても、四字熟語を通してわかるようにしました。さらに、ほぼ10年刻みの章立てにしたことと四字熟語関連年表を通して、それぞれの時期に生まれ育った人の個人的な歩みと重ねることができます。どの項目からもその時代を読み取ることができ、通して読めば戦後社会の移り変わりをリアルに理解することができるでしょう。
 116の四字熟語を通して、現在、日本社会がかかえているさまざまな問題のルーツを探り、本書が日本の未来を考える糧になってほしいと願っています。

 2013年7月  歴史教育者協議会

第1章 焼け跡からの復興 1945年―
玉音放送/焼跡闇市/戦災孤児/青空教室/民主主義/戦争放棄/農地改革/人間宣言/公職追放/東京裁判/街頭録音/東西冷戦/新制中学/男女同権/男女共学/特需景気/曲学阿世 ◆戦後直後の学校
第2章 高度経済成長と国民生活 1955年―
神武景気/公団住宅/歌声喫茶/保守合同/人工衛星/三種神器/勤評闘争/朝日訴訟/高度成長/三池闘争/安保闘争/安保体制/地位協定/所得倍増/過疎過密/集団就職/東京五輪 ◆地上だけではない米軍の沖縄支配
第3章 構造不況の中の経済大国 1965年―
日韓条約/団塊世代/革新都政/主席公選/大阪万博/公害国会/列島改造/沖縄返還/沖縄密約/変動相場/石油危機/順法闘争/狂乱物価/単身赴任/護送船団/複合汚染 ◆沖縄核密約全文訳
第4章 バブル時代の夢と現実 1975年―
構造汚職/灰色高官/外食産業/女性差別/貿易摩擦/残留孤児/臨調行革/国鉄改革/校内暴力/一坪地主/不沈空母/登校拒否/教育臨調/靖国参拝 ◆首相の靖国参拝と違憲訴訟
第5章 失われた10年 1985年―
地産地消/霊感商法/海邦国体/投資摩擦/自粛現象/東欧革命/臓器移植/年功序列/湾岸戦争/大学改革/不良債権/国際貢献/河野談話/欧州連合/小選挙区/代理署名/情報社会 ◆東欧革命・欧州連合関係地図
第6章 新自由主義の進展と格差社会 1995年―
価格破壊/直下地震/空中浮遊/官官接待/援助交際/漫画喫茶/金融破綻/温室効果/周辺事態/南北対話/過労自殺/介護保険/構造改革/規制緩和/自己責任/司法改革/限界集落 ◆戦後50年―村山談話
第7章 混迷する経済と市民運動 2005年―
米軍再編/草食男子/偽装請負/郵政改革/解釈改憲/派遣社員/児童虐待/内部留保/監視社会/無縁社会/混合医療/安全神話/風評被害/仮設住宅/消費増税/超氷河期/戦後補償/歴史認識 ◆在日米軍の再編

四字熟語関連年表
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