首都大地震 揺れやすさマップ
目黒公郎(めぐろきみろう)
東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター長/教授。東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター教授。中央防災会議専門委員ほか、多数の省庁や自治体、ライフライン企業等の防災委員、国際地震工学会「世界安全推進機構」理事、日本自然災害学会理事、地域安全学会理事、日本地震工学会理事、日本活断層学会理事などを歴任。専門は、都市震災軽減工学、防災戦略論。構造物の破壊シミュレーションから防災の制度設計まで幅広く研究。途上国の地震防災の立ち上げ運動にも参加。内外の30を超える自然災害・事故の現地調査を実施。「現場を見る」「実践的な研究」「最重要課題からタックル」をモットーとする。
主な編著書は『被害から学ぶ地震工学-現象を素直に見つめて-』(鹿島出版会)、『地震のことはなそう(絵本)』(自由国民社)、『東京直下大地震 生き残り地図』、『間違いだらけの地震対策』(以上、旬報社)、『ぼくの街に地震がきた(コミック)』、『じしんのえほん(絵本)』(以上、ポプラ社)、『大地震 死んではいけない』(アスコム)、『緊急地震速報』(東京法令出版)など多数。
【著 者】
遠藤宏之(えんどう ひろゆき)
本書地図面8~127頁解説執筆。地理空間情報アナリスト。地図会社を経て、現在は「GIS NEXT」副編集長。土地条件図の作成にも従事した。主な著書に『地名は災害を警告する』(技術評論社)、『みんなが知りたい地図の疑問50』(共著・ソフトバンククリエイティブ)など。
はじめに
―なぜ、土地・災害・地名の歴史を知ることが大切なのか
2011年3月11日に発生した東日本大震災は大きな衝撃と深刻な被害を日本国民に与えました。2年5か月経った今も復興の道筋が見えていない被災地も少なくありません。首都圏に暮らす人々にとっては、首都直下地震や東海・東南海・南海地震がいつ起こるのか、その時どうなるのか、という関心と不安がより切実なものとなっています。
2012年4月に公表された「首都直下地震等による東京の被害想定」では都内の一部が震度7に、同年8月に発表された「南海トラフの巨大地震の被害想定」では死者数が最大32万3000人になると予測されました。その後も自治体を含めさまざまな被害想定が発表されています。ところで被害の原因となる「揺れ」は何によって決まるのでしょうか。
私は、防災対策の基本は「災害イマジネーション」にあると常々訴えてきました。災害イマジネーションとは、災害発生時のさまざまな条件を踏まえたうえで、その後の時間経過の中で、自分のまわりで起こる出来事を具体的に想像、イメージできる能力です。人間はイメージできない状況に対して、適切な心構えや準備、対応をすることは絶対にできません。また、災害イマジネーションを高めるうえで、日常生活をおくる地域の揺れの程度やその理由を知っておくことはとても大切です。それによって、建物の補強や住居地の選択の際に気をつけるべき点も明かになります。
本書では、?地盤や地形の特徴、?関東大震災と東日本大震災での震度、?過去・現在の地名の3つのアプローチから、その場所がどの程度揺れる可能性があるのか、その理由も合わせて考えていきます。
カタログはこちらから首都大地震カタログ(PDF:2.06MB)
「首都大地震 揺れやすさマップ」活用ガイド
首都大地震 揺れやすさマップ
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