新刊

イギリス労使関係法改革の軌跡と展望

サッチャリズムからニューレイバーへ

イギリス労使関係法改革の軌跡と展望

労働組合を中心とする集団的労使関係法から個別的労使関係法へ歴史的発展の実相を明らかにする。

著者 鈴木 隆
ジャンル 単行本
■社会・労働・法律
出版年月日 2017/09/01
ISBN 9784845115129
判型・ページ数 A5・404ページ
定価 本体7,000円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

鈴木 隆(すずきたかし) 島根大学大学院法務研究科教授
1978年  東京都立大学法学部卒
1987年  東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学
1987年  島根大学法文学部講師
1988年  島根大学法文学部助教授
1995年  島根大学法文学部教授
2004年  島根大学大学院法務研究科教授 現在に至る
【主な研究・社会活動】
「労働法の争点」(共著)(2004年、有斐閣)
「労働法判例百選第七版」(共著)(2002年、有斐閣)
「労働法判例百選第8版」(共著)(2009年、有斐閣)


サッチャーならびにメージャー政権下の保守党政府は労働組合を抵抗勢力と位置づけ法的規制を強化し労働組合の弱体化を図った。ブレアならびにブラウン政権下の労働党政府はニューレイバーを標榜し労働者個人の権利保障を手厚くする政策を展開した。労働組合を中心とする集団的労使関係法から個別的労使関係法へ、その歴史的発展の実相を明らかにする。
序章 分析対象と視角
第一章 サッチャリズムと労使関係法改革
 はじめに
 一 保守党政府の労働組合改革のプログラム
1 労働組合改革のプログラムの展開
2 保守党の労働組合改革政策の目的
 二 労働組合の組織と運営における変化
1 組合規約における変化
2 組合の組織運営の実態における変化
 三 労使関係改革立法の影響についての評価
1 労使関係改革立法の影響
2 労使関係改革立法の失敗の原因
 おわりに

第二章 イギリス1984年労働組合法と組合民主主義
はじめに
一 84年法第1章労働組合選挙のための秘密投票
1 84年法第1章の内容
2 84年法第1章の効果と問題点
 二 84年法第2章争議行為前秘密投票
1 84年法第2章の内容
2 84年法第2章の効果と問題点
 三 84年法第3章政治基金および目的
1 84年法第3章の内容
  2 84年法第3章の効果と問題点
  3 残された課題
四 84年法施行後の状況
1 84年法第1章について
2 84年法第2章について
3 84年法第3章について
まとめ

第三章 イギリス1993年労働組合改革・雇用権利法の成立
はじめに
一 TURERA第一部
1 組合選挙と投票
2 組合の財政問題
3 解雇以外の不利益取扱
4 組合員資格の選択権
5 チェック・オフ協定の制限
6 不当な統制処分に対する保護
7 争議行為
二 TURERA第2部
1 出産の権利
2 雇用条件の細目
3 賃金明細書
4 安全衛生に関する雇用保護
5 制定法上の権利の主張
6 再雇用命令と補償金
7 労働協約等における性差別の禁止
8 企業譲渡と雇用保護
9 剰員整理に関する協議
 三 TURERA第3部
1 賃金審議会の廃止
2 労働審判所の構成
3 雇用契約違反等に対する労働審判所の管轄権の拡張
4 労働審判所に対して申立を行わない旨の合意
5 性的非行に関わる事件における公表の制限
6 嫌がらせ訴訟の制限
7 ACASの職務と活動
8 その他

第四章 イギリスにおける団結権の保障
-1993年労働組合改革・雇用権利法の14条を中心として
 はじめに
一 団結権保障の個人主義化
二 TURERAの14条
1 労働組合から排除または除名されない一般的な権利
2 権利侵害に対する救済措置
三 団結権の一方的保障
四 法改正による影響の予測とそれに対する対応
1 使用者に対する影響
2 労働組合に対する影響
 まとめ
〈資料〉TUCブリッドリントン原則

第五章 イギリスにおけるチェック・オフ制度とその法的規制
 はじめに
 一 イギリスにおけるチェック・オフ制度の実態
1 イギリスにおけるチェック・オフ制度の普及状況
2 イギリスにおけるチェック・オフの意義
 二 賃金の保護とチェック・オフ
1 1986年賃金法
2 チェック・オフと労働協約
 三 1988年雇用法7条
 四 TURERA15条
 五 法改正に対する対応
1 労働組合の対応
2 使用者の対応
 まとめ

第六章 ニューレイバーとイギリス労働法改革の課題と展望
 はじめに
 一 労働法改革の基本的方向
 二 個人のための新たな権利
1 政府による提案
2 検討課題
 三 集団的権利
1 職場における集団的代表
2 組合承認
3 その他の提案
 四 家族にやさしい政策
  1 長時間労働の規制
2 親休暇指令の実行
 五 改革のスケジュール
 六 イギリス労働法改革の今後の課題
1 個人の権利の保障
2 集団的権利の保障
3 家族にやさしい政策

第七章 イギリス2004年雇用関係法の制定と労使関係法改革の展望
 はじめに
 一 1999年雇用関係法の見直し
1 1999年雇用関係法
2 政府による1999年雇用関係法の見直し
 二 2004年雇用関係法第一部―組合承認
1 適切な交渉単位
2 労働者への組合の早期のアクセス
3 新しい投票規則
4 その他の改正点
5 ACASの新しい権限―投票と組合員資格の識別のためにACASにより要求される情報
 三 2004年雇用関係法第2部―争議行為法
1 ERA99による改正
2 争議行為に関して投票する被用者についての情報
3 争議行為投票の投票権
4 投票権を与えられない組合員の誘致
5 争議行為通知に含まれる被用者についての情報
6 ストライキを行う被用者のための保護
 四 2004年雇用関係法第3部―労働組合員の権利
1 独立労働組合の組合員資格等に関する誘致と不利益取扱い
2 労働組合からの排除と除名
 五 2004年雇用関係法第3部―労働者と被用者のその他の権利
1 不公正解雇の資格付与期間と上限年齢の不適用
2 国家安全保障―雇用審判所の権限
3 同伴される権利
4 個人に権利を与える規定が制定される方法
5 陪審に関する被用者の保護
6 弾力的労働
7 情報提供と協議

第八章 イギリス2008年雇用法の制定と労使関係法改革の展望
 はじめに
 一 職場における紛争解決
1 2008年雇用法制定の背景
2 法定紛争解決手続の廃止
3 法定行為準則
4 Acas行為準則
5 無審査による審判所手続
6 審判所手続の提起前の調停
7 審判所手続の提起後の調停
8 財政的損害の補償
 二 全国最低賃金
1 遅配賃金の支払い
2 不足払い通知
3 執行官の記録の写しを取る権限
4 犯罪の審理形態と罰則
5 捜査権限
6 篤志労働者
7 NMWAの改正の意義と残された課題
 三 職業紹介業と労働者派遣業に対する規制
1 犯罪の審理形態と罰則
2 監督権限の強化
3 残された課題
 四 労働組合の自治
1 ASLEF事件
2 174条の改正
3 174条の改正の意義
4 174条の改正の評価

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