ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…)

ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…)

まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!

著者 連帯ユニオン 編著
小谷野 毅 編著
葛西 映子 編著
安田 浩一
里見 和夫 編著
永嶋 靖久 編著
ジャンル 単行本
■社会・労働・法律
■社会・労働・法律 > 労働
出版年月日 2019/01/30
ISBN 9784845115617
Cコード 0036
判型・ページ数 A5・148ページ
定価 1,320円(税込)

この本に関するお問い合わせ・感想

レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。

いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!

◆「輸送ゼネスト」より

 2017年12月12日、連帯ユニオン関生支部と全港湾大阪支部は、近畿地方一円で無期限ストライキにふみ切った。これがことのおこりだ。

 このストライキ、組合側が要求したのは2点。第1にセメント輸送や生コン輸送の運賃を約束どおり引き上げること、第2に大阪広域協組の組織運営を民主化することだった。

 ストライキの対象は近畿地方全域のセメント出荷基地と生コン工場。生コン車1000台、バラセメント車500台という、かつてない規模の地域ゼネストである。

 これに対し、滋賀、京都、奈良、和歌山などの生コン協同組合や、バラセメント輸送協同組合、生コン輸送協同組合などの輸送関連業者団体は、要求を大筋で受け入れると12月16日までに回答した。

 ところが、大阪広域協組は回答を示しもしなかった。回答を出す代わりに大阪広域協組はストライキを威力業務妨害だと非難し、「連帯ユニオン関生支部を業界から一掃する」と居丈高に言い放った。そして年が明けるとレイシスト集団と手を組んで大立ち回りを開始したのである。

 ストライキはだれもが知るとおり、労働者の権利だ。憲法28条は労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権、いわゆる労働三権を保障するとしている。そして労働組合法は、ストライキをはじめとする労働組合の団体行動権の行使は刑事罰の対象としないと明記している。非難されるいわれなどない。まして、組合側の要求はひとことでいえば「約束を守れ」ということである。

 それにもかかわらず、約束した運賃引き上げをどうするのかについてまったくふれもせず、ストライキは威力業務妨害だと言い換える。声高にそう叫び、レイシスト集団にYouTubeやブログを使ったデマ宣伝をくりかえさせることで、逆に組合から不当な要求を突き付けられ、恫喝されている被害者であるかのようにふるまっていくのである。

 約束を守れと要求する労働組合側が悪者で、約束をふみにじった大阪広域協組が正義であるかのように仕立て上げられたストーリー。それが架空のものであり、いかに欺瞞に満ちたものであるかは、このストライキで組合側がなにを要求したのか、どうしてストライキに打って出たのかを検証すれば明確になるだろう。

 

◆「弾圧の狙い」より

 一連の弾圧は、大資本に対抗する中小企業の協同組合運動への弾圧、建設現場における労働組合のコンプライアンス啓蒙活動への弾圧、大阪サミットの先行弾圧などさまざまな意味があるが、本質は企業の枠を超えた産業別労働運動への弾圧である。

 取調にあたる検察官や警察官は口々に、組合員に対し「関生支部を削っていく」、「黙秘していても起訴する」、「労働組合は企業の外で活動してはいけない」、「関生はやりすぎた。」、「関生をやめる気はないのか」、「(関生支部以外の組合の名前を挙げて)関生をやめて組合を変わったらどうか」などと「強要」している。弾圧の意図は明らかである。

 さらに、大阪地域で大阪広域協組が各企業に命じている不当労働行為を、大阪地域以外では警察が各企業に求めている可能性がある。

 資本と権力は、団結して雇用や労働条件を勝ち取ろうとする労働運動、団結して資本や権力の専横と闘おうとする社会運動を、威力業務妨害、強要、恐喝だと弾圧している。日本の労働運動と社会運動の画期というべき重大な攻撃だ。関生支部に対する弾圧はそのようなものとして捉えられなければならない。

◆主な目次

第1章 醜悪な癒着
レイシスト(差別者集団)の登場
「全面的に応援」
和歌山理事会乱入事件発生
組合事務所襲撃
「たたき割るぞ!」
「高い給料払ってやるよ」

第2章 協同組合クラッシャー
輸送ゼネスト
生コンって、なんだ?
協同組合って、なに?
約束を守れ
相互扶助の精神
六つの労組による提言
危うい全会一致
除名は無効

第3章 「組織犯罪」というフェイク
恐喝未遂、強要未遂、威力業務妨害
共謀罪のリハーサル
憲法28条に国家がケンカ売ってきた
みごとな連携プレー
正反対の構図
言ったもん勝ち
絞殺される民主主義

第4章 道は険しくとも
組合活動に問題がある?
頓挫した政府の構想
産業政策闘争のはじまり
1980年代――1回目の権力弾圧
1990年代――大阪広域協組の発足
近畿一円に広がる労使の協力関係
2000年代――2回目の権力弾圧
歴史的な集会
4か月のゼネスト
われわれには力がある

さらに理解を深めるために
 レイシスト人物論  安田浩一
 大阪広域協組四人組が主導する不当労働行為と組合潰し攻撃の実態  弁護士 里見和夫
 関生支部への刑事弾圧――その経緯と特徴  弁護士 永嶋靖久

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