「生きづらさ」の臨界 (“溜め”のある社会へ)

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本田由紀、中西新太郎、後藤道夫×湯浅誠、河添誠 編著

四六判並製/192頁/
定価1,575円
発行日 2008年11月 6日
ISBN 9784845110964 C0036

“どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ”
ハケン、フリーターなど増える使い捨て労働と低賃金。
拡大する貧困・格差のなかで蔓延する「生きづらさ」。
その正体は? 解決の糸口はどこに?
いま話題の著者たちが語りあう!

著者紹介

(執筆順、◆は編者)
湯浅 誠(ゆあさ・まこと)◆
反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長。
1969年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士後期課程単位取得退学。著書に『本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』(同文舘出版)、『貧困襲来』(山吹書店)、『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書) など。

河添 誠(かわぞえ・まこと)◆
首都圏青年ユニオン書記長、反貧困たすけあいネットワーク事務局長。
1964年生まれ。東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程中退。2000年、「ひとりでもだれでもどんな働き方でも入れる若者のための労働組合」首都圏青年ユニオンの結成に参加。2006年より現職。2007年、湯浅誠氏とともに反貧困たすけあいネットワークの結成をよびかけ、現在、事務局長も兼務。労働運動の情報ネットワーク・レイバーネット日本の事務局長も兼務。反貧困ネットワークのメンバーの一人でもある。

本田由紀(ほんだ・ゆき)
東京大学大学院教育学研究科教授。専門は教育社会学。
1964年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学)。日本労働研究機構研究員、東京大学社会科学研究所助教授を経て現職。主著に『若者と仕事』(東京大学出版会)、『多元化する「能力」と日本社会』(NTT出版)『「ニート」って言うな!』(共著、光文社新書)、『「家庭教育」の隘路』(勁草書房)、『軋む社会』(双風舎)など。

中西新太郎(なかにし・しんたろう)
横浜市立大学教授。専門は社会哲学、現代社会論。
1948年生まれ。鹿児島大学教育学部勤務を経て現職。主著に『情報消費型社会と知の構造』(旬報社)、『思春期の危機を生きる子どもたち』(はるか書房)、『若者たちに何が起こっているのか』(花伝社)、『<生きにくさ>の根はどこにあるのか』(NPO前夜)、『1995年 未了の問題圏』(共編著、大月書店)など。

後藤道夫(ごとう・みちお)
都留文科大学教授。専門は社会哲学、現代社会論。
1947年生まれ。ここ10数年は日本の「構造改革」とその背景を中心に研究。最近はワーキング・プア、貧困問題を重視。主著に『収縮する日本型<大衆社会>』(旬報社)、『反「構造改革」』(青木書店)、『戦後思想ヘゲモニーの終焉と新福祉国家構想』(旬報社)、『格差社会とたたかう』(共著、青木書店)、『なぜ富と貧困は広がるのか』(旬報社)など。

主な目次

1 不器用さは排除されても仕方がないか---若者の自立をめぐって 本田由紀×河添誠×湯浅誠
鼎談のまえに  河添誠
 「自立」が強いる「生きづらさ」
 「不器用な若者」は解雇されても仕方がないか
 労働市場の変化と「不器用さ」
 若者に必要な“能力”とは何か?
 「貧困」とたたかう労働運動
鼎談 
 若者の「不器用さ」と自立
 労働現場でひろがる貧困--“溜め”がなくなっていく
 うみだされる「不器用さ」
 専門性は「不器用さ」をカバーするか--「専門性」とは何か?
 仕事と報酬の関係を可視化するには
 ハイパーメリトクラシーにどう対抗するか
 「器用さ」を強制する圧力にどう対抗するか
 学校にできること--実態にそくした権利教育を
 家庭教育の「不備」に社会はどう対応するか
 不明瞭な仕事と報酬の対応関係がもたらす課題
 専門性のなかみと教育・職業訓練の課題

2 内面化される生の値踏み---蔓延する自己責任論 中西新太郎×湯浅誠×河添誠
鼎談のまえに 湯浅誠
 「ほかに方法がない」
 「貧困が見える」とき/自己責任論が発動するとき
 奪われる“溜め”
 “溜め”を失った社会が“溜め”のない個人をつくる
 「貧困は人にはないよ、社会にある」
 「ほかに方法がなかった」実態を知らせる
 「救済に値する人」「値しない人」というデッドロック
鼎談
 自己責任論の構造と機能
 新自由主義政策を正当化する自己責任イデオロギー--社会と個人の関係の倒錯
 八〇年代の文化変容と九〇年代新自由主義の関連
 「生の値踏み」状況の内面化とその問題性
 自己責任論の突破する糸口
 新自由主義にたいする障壁の弱さ
 居場所づくりの活動とその難しさ
 社会変革と学びの場
 精神疾患と貧困
 自己責任イデオロギーを溶かす

3 「生きづらさ」という困難の可能性---接近する労働と福祉 後藤道夫×湯浅 誠×河添 誠
鼎談のまえに  湯浅誠
 〈もやい〉の相談事例から
 進行する「下向きの平準化」
 「生活の安定」を担う家族、その帰結
 若年ワーキング・プアの「生きづらさ」の根
 いま、あらためて問われる「ナショナルミニマム」
 多様な“溜め”つくられる社会にむけて
鼎談
 「フルタイムで働いても食えない」
 個別ケアの現場と社会構造を扱う運動をどうつなげていくか
 制度の狭間で……
 制度の狭間を埋め合わせる
 個別的なケースから「社会にたいする信頼感」にどうつながるか
 運動の問題提起を政策化する道すじ

4.希望は、連帯 湯浅誠×河添誠
 怒りの方法――秋葉原無差別殺傷事件をめぐって
 労働と福祉をつなげる運動の重要性
 「強い市民社会」と居場所づくり
 反貧困運動のひろがりと課題――「反貧困たすけあいネットワーク」の可能性

書評等掲載情報
「しんぶん赤旗日曜版」「本立て」(2008年11月30日付)
「しんぶん赤旗」「読書」(2008年12月7日付)
「ふぇみん」(2008年12月15日付)
「社会新報」「こだわり読書日記」(2009年3月4日付)
『民医連医療』(2009年6月号)

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