タマゾン川 (多摩川でいのちを考える)

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山崎充哲

四六判上製/180頁
定価 本体1,500円+税
発行日 2012年6月25日
ISBN 9784845112692 C0045

第60回産経児童出版文化賞 大賞受賞!
アロワナ、ピラニア、プレコ、グッピー…。多摩川には熱帯の外来種がいっぱい! この魚はどこから? 魚たちをどうする? 多摩川から日本の環境を考え、いのちと向き合う。""

著者紹介

著者:山崎充哲(やまさきみつあき)
自然環境調査コンサルタント。外来種問題が深刻な多摩川で、飼い主に捨てられた魚を保護する「おさかなポスト」を運営。「川を知ることが魚をよくすること」との思いから、子どもを対象にした川遊び教室、環境紙芝居、移動水族館などにも熱心に取り組んでいる。著書『いのちの川』(幻冬舎)。TBS『どうぶつ奇想天外!』などテレビにも多数出演。

「はじめに」より

 川といのちをめぐる旅

 わたしは毎日多摩川へ行きます。
 もう一〇年以上、晴れの日も、雨の日も、雪の日も、一日も休まずに。
 まずは河原に下りていって両手で川の水をすくい、においをかいでみます。川の水より手はあたたかい。だから川のにおいがふわっとたちのぼってきます。
 においは毎日違います。台風が通り過ぎた後の多摩川の水は、とてもすがすがしい香りがします。上流の奥多摩からきれいな水がたくさん流れてきたからです。

 わたしは自然環境コンサルタントとして長年、生き物、おもに魚の調査をしてきました。北海道から九州まで、仕事場は日本中の川です。
 みんなのご両親の仕事着はかっこいいスーツかもしれないけれど、こちらの仕事着は胴長(胸まである長靴)です。それをグッと引き上げて、片手に網をにぎり、今日もいざ水の中へ! そうやって、これまで日本全国の三〇〇〇本以上の川に入ってきました。
 これまで一番深く関わってきたのが、わたしの地元の川である多摩川です。
 するとほんとうに、「日本中探しても、多摩川ほど不思議な川はないよなァ」と思うのです。
 東京を流れる多摩川はいま、清流を代表する魚であるアユが一〇〇万匹ものぼってくる川になりました。いえ、魚の数だけでなく、すんでいる魚の種類もどんどん増えています。いのちがきらめいている川、と言っていいかもしれません。
 いっぽう、日本のほとんどの川はその逆です。川の汚れによって、魚の数や種類が減り続けています。
 だから、多摩川に生まれ育ち、この川を愛するわたしは、そのことをほんとうにうれしく、誇らしく思います。
 ただ、心の底からはよろこべません。
 なぜなら、多摩川にはまた別の大きな問題があるからです。
 その流れはきれいです。岸には草花が咲き、たくさんの人びとの笑い声があります。でも、その水の中では、これまで誰も想像もしなかったようなことが起きています。
 遠い国からやってきた、色とりどりの魚たち。1メートルを超える肉食の魚たちが、当たり前の顔をして泳ぎ、多摩川の自然をおびやかしているのです。
 なぜ、そんなことが起こったのか。
 それをみんなでいっしょに考えたくて、この本を書きました。
 
 流域にたくさんの人が住み、都会の河川の代表といえる多摩川は、日本の川が抱える問題といちばん最初に向き合ってきました。
 多摩川を考えることは、いまという時代に、わたしたちが川と、そしてそこに生きるいのちとどう向き合うかを考えることだと思います。
 
 いっしょに川といのちをめぐる旅にでかけましょう。

主な目次

はじめに―川といのちをめぐる旅
1 いるはずのない魚たち
2 おさかなポスト誕生
3 死の川、多摩川
4 そして、いのちが戻ってきた
5 未来への流れ

第60回産経児童出版文化賞大賞受賞

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