デジタルライブラリーについて

「旬報社デジタルライブラリー」開設にあたって

 おかげさまをもちまして、旬報社は創立60周年を迎えることができました。
「旬報社デジタルライブラリー」は60周年を記念して、小社刊行物をホームページ上に掲載し、読者の皆様に無料で提供するものです。
第1期は「戦後社会史(1)」として約50点を掲載いたします。今後も、歴史的資料として、また、今日の日本社会を考える参考となる書籍、雑誌を順次公開していきたいと思います。
 GHQと政府による労働者の大人員整理計画が進められるなかで下山・三鷹・松川事件が起こった1949年の11月、旬報社は、
(1)労働者・労働組合のなかに労働法を普及する、
(2)労働法の研究者や弁護士、実務家に労働判例をとおして研究資料を提供する、
(3)官制や労務管理の視点からの法解釈ではなく、労働者の立場にたった働きやすい職場を実現するための労働法を確立する、
ことを目的とした専門雑誌である『労働法律旬報』を創刊してスタートしました。
爾後60年にわたって、労働法学をはじめとする諸分野の学者・研究者、弁護士の先生方のご協力や読者の皆様のご愛顧のもとに、政治的にも経済的にも大きく変化し続ける日本社会がかかえるさまざまな課題をテーマとしながら、微力ではありますが“社会進歩”を願って出版活動に邁進してまいりました。
 このたび60周年記念事業として、2000点を超える小社刊行物のなかから、第1期として50点の書籍を選択し、歴史資料として広く活用していただきたく、インターネットで公開することといたしました。
 戦後最大の冤罪・謀略事件との取り組みを記録した『松川運動全史』、エネルギー政策の大転換による人員整理に抗する争議の歴史を描いた『みいけ20年史』をはじめ、『資料沖縄問題』、『ベトナム解放史』(全3巻)、『日米安保条約』、『憲法「改正」の争点』などの平和運動の貴重な史・資料など、総頁数2万頁に及びます。
 いま、戦後の平和を実現してきた憲法を「改正」する動きが強まり、生活の豊かさをもたらした労働法の大変革が進められ、政権交代のなかで政治も大きく変わろうとしています。
第1期の50点は、労働法・労働組合を職場・生活のなかに定着させる過程で起こった運動、人権や平和を守るために闘われた運動、戦後の混乱期から高度成長への社会の転換や、豊かさを実現するなかで起こった、権力の犯罪やマスコミ、子育てや企業社会の問題などから選択しました。
 旬報社は、これからも「良心的ジャーナリズムの一員として、出版物をとおして社会の進歩に寄与する」ことを社の基本として、活字・紙媒体の出版活動に献身してまいります。
今回の記念事業は、これからの若い研究者、学生の学問・研究に参考となる書籍を、5年先、10年先、20年先も活用し続けていただけることを願ってデジタル化することを考えました。
いくつかの大学・専門図書館では蔵書していただき閲覧が可能なもの、古書店で入手できるものもありますが、多くは絶版あるいは在庫切れで入手不可能なものです。
 この記念事業が、これからの日本社会、世界との関係を考えていくうえで読者の皆様のお役にたてれば幸いです。
 今後とも旬報社の出版活動にご注目くださいますようお願いいたします。
2009年11月

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